(2007.5.16 wed )
行ってきました! ジャズ・ピアニスト、キース・ジャレットのコンサート@東京厚生年金会館。 しかも写真を見て下さい!なんと一列目のど真ん中! キース・ジャレット(Pf)、ゲイリー・ピーコック(b)、ジャック・デジョネット(Dr)の表情や指の動き、 キースのあのうめき声が聴こえるのはもちろんの事、 ピアノに反射して映る指さえも全部まる見えです。 キースのコンサートは初めてだというのに、こんな贅沢しても宜しいのでしょうか?という感じで。。。 周りを見回すと、全公演を回って見ているような人達ばかりで、開演までの間、 お互いキース話で花を咲かせています。
「今回のキースの演奏についてどう思う?」 「だいぶ戻ってきたみたいですよ」
そう、キース・ジャレットは、60年代からアート・ブレイキーの“ジャズメッセンジャーズ”やマイルス・デイビスのバンドで活躍したり、 全て即興で演奏するソロコンサートを行ったり、とにかくずーーーーっと天才、天才と呼ばれ続けてきたアーティスト。 ところが、90年代に入ると体の調子を崩してしまって、その実力は影をひそめたと言われるように・・・。 それでも多くのファンは彼の復活をずっと待ち続けてきたのです。
今回のジャパンツアーは、20年来演奏をし続けてきた、旧友ゲイリー・ピーコック、ジャック・デジョネットとトリオでの演奏。 これはかなり期待が持てます。 白髪交じりの3人の大御所がステージに立つとさすがに貫禄が。。。 「おお!」大きな歓声が会場中に響き渡ります。 そしてキースはピアノの前に座り、まるで魂をピアノに吹き込むかのように深呼吸を何度も繰り返すと静かに目を瞑り、 鍵盤に優しく指を置いて演奏がスタートしました。
かつてはやんちゃぶりを発揮していた演奏も、今は落ち着き・・・。 と思いきや、あの中腰でうねるように弾くプレイは健在です。 立つのか、座るのか。一体どっちなの?(笑)。 と思ってしまうけど、この中腰プレイ?が始まるとのってる証拠です。
驚いたのは、彼はあまり鍵盤を強く叩かないこと。 本当に美しいフレーズを舐めるように弾いて、 その音に反応しながら、ドラムもベースも静かにうなずく感じ。 お互いが「わかってるよ、ここは俺にまかせな」みたいな。 もちろん言ってませんけど(笑)、そんな雰囲気が伝わり、 会場中が柔らかな優しい空気に包まれる感じ。 3人の音色を体いっぱい受けて、幸せ気分にどっぷりと浸らせて頂きました。
曲もオープニングの<Bye Bye Blackbird>や< Straight, No chaser>など スタンダード曲もたっぷりやってくれて。 ワルツの「Someday My Prince Will Come」は、上品で本当に染みる演奏でした。
周りのジャズファンの方たちも納得の2時間30分。 キース・ジャレットは、やっぱり凄いお方でした。
1st Set: 1) Bye Bye Blackbird 2) Smoke Gets in Your Eyes 3) Conception 4) Django 5) Someday My Prince Will Come 6) Straight, No chaser
2nd Set: 1) You Go To My Head 2) You Belong To Me 3) One for Majid 4) My Funny Valentine 〜 Improvisation
Encore: 1) Poinciana 2) I Thought About You
<セット・リスト koinuma’s Blogから引用>
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